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天国と地獄 [ドラマ]

テレ朝のドラマ版「天国と地獄」見ました。
なぜか事件の舞台は北海道小樽(オリジナルでは横浜)。
比較的原作に忠実な内容で、丁寧に作られていのに好感が持てます。
主人公の権藤役に佐藤浩一(オリジナルでは三船敏郎)、犯人を追い詰
める警視役にアベール王子(オリジナルでは仲代達也)でなかなかの好
演でした。ほかにも多くの豪華キャストが出演~。
とはいえ、あの名作の緊張感を2時間ドラマで再現するのは難しい感じ
で、そこは現代調に新たな演出を組み込んだサスペンス物として生まれ
変わっています。
早い段階で犯人像が見えてくるのも、オリジナルと大きく異なる点です。

黒澤映画の「天国と地獄」、これは大好きな作品で生涯俺ベストランキング
7位に入る大傑作なのです(5位は「野良犬」)。
特に権藤家のパンフォーカスによる緊張した室内劇、そこから事件解決へ
動き出す躍動感ある追跡劇!この対比が素晴らしく一気にラストシーンま
で引き込まれます。三船敏郎の熱く重い演技と、対照的に仲代達也のクー
ルな演技・・これも映画の中では効果的でした。
犯人役は山崎勉(ドラマ版は妻夫木聡)、当時新人だったそうですが不敵で
謎の多い犯人像を完璧に演じていました、しかも短いシーンなのに。
権藤と犯人が拘置所で向き合うラストシーン、恐怖で発狂した犯人に呆然と
する権藤・・二人の対照的な運命を裂くよう接見室の窓に落ちるシャッター。
完璧なラストですね、もう最高にカッコいい。

ドラマ版で面白かったのは、犯人像(共犯に吹石一恵、篠井英介)を見せて
いた点ですね。まあオリジナル版同様、あっさり殺されてしまいますが。
せっかくのグッドキャストだったのでこの辺をもっと描いていれば、オリジナル
と違う深みみたいなものが出せたのかも。でもなかなか面白かったです。
でも、土曜サスペンスのドラマとしてみるとちょっと濃度が薄い感じがしますね。
火サスもそうですが、現代のサスペンスはもっとドロドロしてます~。

権藤の奥さん役に鈴木京香、オリジナルは香川京子・・微妙に名前が似てる?


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