The Dark Knight

昨年末、友人に「劇場でダークナイトを見逃すなんて、一生後悔する」と言われ
ＤＶＤ発売とほぼ同時に購入、なるほどこれは劇場で見る作品でした。
「バットマン・ビギンズ」の世界の続編となる「ダークナイト」。
すでにバットマンの名前すらないこの作品、主役はもしかしたらジョーカー？
クリストファー・ノーラン監督の作り出した新生バットマンの世界はとてもよく出
来ていて、前作以上にシリアスな面を強調した作品になっています。
前作でも“ブルースウェイン”がバットマンとして戦うことの意味を、じっくり描い
ていたのに引き続き、今回は“ブルースウェイン”の信じてる善そのものを問う
異色作（？）なのです。
誰の心にも存在する“悪”、どんなに清く正しい心を持ったものでも堕落するの
は一瞬と説くジョーカー。故ヒース・レジャーの演じたこの怪人は映画史に残る
悪役になったのではないでしょうか。
しいて言えば“ハンニバル・レクター”のような・・恐ろしいのに目が離せない。
ビルで逆さ吊りになった状態（カメラはいつのまにか１８０度回転している）で、
「悪に落ちるのは重力に逆らえないのと同じ」と語るジョーカー。背筋がゾゾっ
とする素晴しいシーンでした。

と、全然バットマン活躍シーンが思い出せない・・。いやいやバットポッドがカッ
コよかった。バットモービルの中にあんなバイクが隠れてるなんて。
でもジョーカーの前に立つと、そのマスクも秘密兵器も薄っぺらなジョークに見
えてしまうのです・・あっ駄洒落てしまった。

なにより残念なのはもうヒース・レジャーの演じるジョーカーの続編は見れない
ということ。　ほんと、残念でなりません。
多分、カップルで見ても、家族で見ても見終わった後に言葉が出ない強烈さ。
ぬるい雰囲気の映画が多い中、ハリウッドの底力を感じさせる傑作！

覚悟して見るべし。