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ミッション:8ミニッツ [映画]

個人的に注目しているダンカン・ジョーンズ監督の長編二作目となる
「ミッション:8ミニッツ」をレンタルで見ました。
この監督の描くSF作品は自分の青春時代に熱中したJ・P・ホーガン、
F・K・ディックなどの懐かしSF的な雰囲気がプンプンしていて、とても
いい感じです。

アフガニスタンにて任務遂行中であったスティーブンス大尉(ジェイク・
ギレンホール)は、突如シカゴ行の列車の中で目を覚まします。
向かいに座ってる女性クリスティーナ(ミシェル・モナハン)が親しげに
話しかけてきますが、スティーブンス大尉にはあったこともない他人。
訳も分からずトイレに駆け込むと、鏡に映ったのはなんと知らない男の
顔だったのです! どうなってるんだ?・・・と状況を把握するまもなく、
電車は大爆発! 
次に気が付いたときは、カプセルのような機械の中。
どうやら軍の施設らしいが、なんのミッションなのかもわからない。
やがてモニターに一人の女性が写り、スティーブンス大尉に問いかけ
ます・・・「爆弾は見つけましたか?」。

序盤からグイグイひっぱてくるダンカン・ジョーンズ監督の手腕には脱帽
です。
スティーブンス大尉の任務は、シカゴ郊外にて起きた列車爆発テロで犠
牲になった人間の意識(?)に潜入し列車にいたはずの真犯人を見つけ
るというもの。 その犯人は次にもっと大規模な爆破テロを行うと予告して
きたのです。
この途方もないミッションの責任者であるラトレッジ博士(ジェフリー・ライト)
は、人間の脳は死んでもしばらく機能していて死の直前の8分間の記憶
を引き出すことができると語ります。
博士は死者の記憶を基に爆発テロが起こる8分前の世界を再現すること
に成功し、連続テロを防ぐための情報を得るべくスティーブンス大尉の意
識をその現場に送り込みます。
8minutes.jpg
ここで観客は博士の再現した世界がどんなものなのか、勝手に想像する
しかないわけですが・・・物語中盤ではこんなふうに想像できます。
①死者の脳から得た情報で作られたサイバースペース
博士曰くは、再現された世界で行われる行動は「現実世界」には影響を
おこさないとのことですが、実際に転送されるスティーブンス大尉にはそ
う思えない様子。
繰り返しその8分間に転送される際、いつも同じことが起こるわけではな
く例えば⇒乗客がコーヒーをこぼす・・・自分の足にかかる という場合も
あれば⇒乗客がコーヒーをこぼす・・・彼女の足にかかる という場合もあ
り、サイバースペースにしては不安定な感じ。

ここで一つ補足いたしますが、スティーブンス大尉が転送されるときは本
人としてではなくテロの犠牲者ショーン・フェントレスの体に転送されます。
なぜショーンなのか??これには映画の中で説明はありません。
そもそも、博士が再現した世界(劇中ではプログラムと呼ばれています)
がどんなものなのか具体的には明かされないので、ショーンもどうなって
いるのか全く不明。
なんであれスティーブンス大尉は、ショーンの体を乗っ取っとるという多少
オカルトめいた状態で任務を遂行しているわけです。
そうするとこうも考えられます。
②ショーンの脳(?)を経由してパラレルワールドにアクセスしている

ショーンは死亡していることは劇中で説明されますが、当のスティーブンス
大尉もどうなってるかと言えば・・・アフガニスタンで戦死していたという驚
愕の事実をみずから突き止めてしまいます。
軍は脳死状態にあったスティーブンス大尉をこのミッションに利用したとい
うことのようです(オムニ社かよ!)。

最終的にはスティーブンス大尉はテロ犯を見つけ、予告された大規模テロ
は未然に防ぐことができました。
でも、自分が「装置」となったことを知ってしまった今、彼はある決断をミッシ
ョンのオペレーターであるグッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)に託します。
それは、もう一度最後の8分間に転送したのち・・・8分後に自分の生命維
持装置を切ってほしいというものでした。
スティーブンスに同情していた彼女は、悩んだ末に博士の目を盗みそれを
行動に移します。

もう一度転送された彼は、爆弾を止め犯人を捕らえクリスティーナのもとに
戻ります。8分後のその瞬間、車内は笑いにあふれ、スティーブンスはクリ
スティーナと唇を合わせ、幸せに包まれた空間がそのまま静止します。

ダンカン・ジョーンズの作品の魅力は物語の謎解きそのものより、劇中の
主人公が決死の行動を起こし、意外なエンディングを迎えるシークエンス
そのものと思っています。
今回もそこは裏切らず、観客の予想を嬉しい方向に裏切ってくれます。
スティーブンス大尉は自殺を選んだのか・・・それとも?
ラストシーンは是非、本編をみて確かめてくださいませ。

③世界は人の意識が作り出している  なんちゃって。



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