THE IRON LADY

「マーガレット・サッチャー　鉄の女の涙」って長い邦題がついていますが、
映画を見た感想では"THE IRON LADY"の原題のほうがしっくりでした。
私達世代でいえば、英国首相サッチャー、米大統領レーガン、ソ連書記長
ゴルバチョフってこのお三方はかなり馴染みのある大国の元トップ。
特にサッチャーさんは女性だったこともありよく覚えています。
冷戦真っ只中の50～80年代を突っ走った「鉄の女」。
それをオスカー常連女優メリル・ストリープが演じます。

現代のロンドン、一人の老婆が街のスーパーに向かって歩いています。
おぼつかない足取り・・・なんとか牛乳を手にとりレジまでたどり着きお金
を払うその老婆こそ現在86歳のサッチャー元首相。
亡くなってしまった夫の幻に話しかけたり、自らがまだ首相であると勘違い
したり、すでに発表されている認知症の表現もちょっとクドイ感じ。
彼女は亡き夫の遺品を整理していくうちに、自らの歩んできた過去を思い
だしていきます。



映画に出てくるイギリスって、なぜか失業者にあふれ、労働者デモがあって
暗い空ってイメージですが、今回はそれに加え爆弾テロも盛り込まれます。
どん底のイギリス経済を立て直し、IRAとも戦い、果てはフォークランドに攻め
込んだアルゼンチンとの戦争と・・・これほど苦難を乗り越えた首相もいない
のでは？そりゃ家族のことまで気が回りませんよね。
多くの敵と戦い、最後は党内でも孤立してしまったサッチャー。
晩年は自らの戦いで失ってきたものへ対する代償に苦しむ姿が描かれます。

まあとにかくメリル・ストリープ　オンステージ！ってな感じでその演技力
には圧倒されます。だんだん本人に見えてしまうような。
特殊メークの凄さもあるんでしょうが（オスカー受賞）。
実際のサッチャー元首相は、認知症に悩まされつつもお元気であり、たまに
お付きの人と公園に散歩したりするそうです。

ところで、いまのイギリス首相って誰でしたっけ？　ブレア？