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100,000年後の安全 [映画]

フィンランドのオルキルト島にある、核廃棄物処理施設オンカロ。
安全なレベルになるまで10万年という途方もない時間を要す放射性
廃棄物。
映画は10万年間の施設の安全性と10万年後の未来人にどうやって
危険性を伝えるか、その難しさを描いていきます。

ちなみにこの映画はドキュメンタリーです。
オンカロは現在建設中で稼働は2020年を予定。
2100年に貯蔵量が満杯になった時点で閉鎖され、永久に侵入ができ
ないよう埋め立てられるとのこと。

ちなみに10万年前ってどんな感じかというと・・・。
・ネアンデルタール人の時代
・道具は石器(旧石器時代)
人類の歴史で記録が残っているものでも3,000年前程度が限界なの
で、いかに100,000年というのが途方もない時間かがわかります。
フィンランドは地震もなく、地質的には安定しているとのことですが、そ
れでも100,000年の年月の間に何が起こるかは予想がつかないと関係
者は警戒しています。
気候変動、隕石の落下、世界大戦・・・未来に何が起こるかは誰も予知
できないのです。

この映画ももっとも面白いと感じるところは、100,000年後の未来人に
いかにして危険を伝えるか(もしくは伝えないか)を考えるシーンです。
言葉で伝えるか、ピクチャーで伝えるか、はたまた近寄りがたいオブジェ
を設置するか。
映画ではこのような石碑を設置する案が提示されます。
o0490053111214615033.gif

極めてナンセンスなこの結論・・・ここに現代文明の限界点を見出してし
まいます。そもそも100,000年後って文字を使っているのか?
人類とは違う何かが地上を支配しているのでは?
また、逆にこの石碑に好奇心を持ち、無理やりパンドラの箱を開くことに
なったりしないのか?
我々は責任を持てるのはせいぜい10年単位までで、100年先すら約束
できないのが現実と思ってしまうのです。

この映画を見たあとは深刻な気持ちになります。映画の中では誰も口に
しないですが、我々の置かれている状況が極めて危機的であることを画
面から感じます。
T0010058p.jpg

この映画がただのSFだったら・・・。


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コメント 2

conta

日本でも最近、地層処分について見直しの議論がされているようですね。
by conta (2012-10-08 23:08) 

robert

conta様 NICE!ありがとうございます♪
100,000年という時の長さに圧倒されます。
石碑のコメントにある「地上に戻って我々より良い世界
を作ってほしい」の一文が重いです。
色々考えてしまう映画でした。
by robert (2012-10-11 21:32) 

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