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オデッセイ [映画]

地球からの距離:2億2530万キロ
外気温:マイナス55℃
水:なし
酸素:ほとんどなし
通信手段:なし
食料:31日分
救助予定:4年後

不幸な事故で火星に一人取り残されてしまった宇宙飛行士の
サバイバル劇を描いたSF映画「オデッセイ」。
2016年アカデミー賞に7部門ノミネートされた話題の大作を、
観てきました。
火星に一人取り残される宇宙飛行士役にマット・デイモン。
苦渋の決断をし一人苦しむ船長役にジェシカ・チャスティン。
そして監督はSF撮らせたら世界一、リドリー・スコット!

オデッセイ_1.jpg
あらすじとこのポスターをみると、どれだけ過酷で苦しい映画
なんだろうとブルってしまいます。
マット・デイモン演じる、マーク・ワトニー飛行士は、一人火星に
取り残され絶望的な状況を認識すると、悲観的な感情を一切
捨てて、科学の知識を武器に生き残る方法を探りはじめます。
一方、地球のNASAスタッフも彼の生存を確認。NASAの全知
を駆使して、救出策を考えだします。
ワトニーは無事に地球に還れるのか...必至に生き残ろうとする
彼に、火星の過酷な世界が容赦なく襲い掛かります。
オデッセイ_2.jpg

ここからはネタバレありますので、気になる方は飛ばしてください。
---------------------------------------------------------------
SF映画史上、ここまでリアルに徹した映画があったでしょうか?
しかも、火星の情景がまたリアル。行ったことも見たこともない火星
ですが、明らかに地球ではない異世界を見事に表現してます。
一人残されたワトニーの姿を、物語の中では火星ステーション内の
監視カメラ(ログカメラ)を通して描きます。これがまた、彼の孤独を
強調しより緊迫した雰囲気を演出します。
これだけ書くと、どんだけ暗い映画なんだ??と思えますが......
実はこの映画、痛快な娯楽大作なのです!

ワトニーは常にポジティブで、ユーモアを忘れません。
あんな状況で、ジョークを言える人はいないかも知れませんが、
とにかく明るい。
苦しい状況の時こそ、ユーモアが必要なのかもしれません。
なにより自分が絶望に潰されないこと、生き残るためには最も
重要なことですね。

そして、ワトニーを火星に残してしまった船長を初めとするクルー
達。映画の初めには、その絆の強さが見えないのですが、物語
が進むにつれて非常に強い絆で結ばれていることが伝わります。
船長役のジェシカ・チャスティンが良かったです。
つねに冷静に行動し、皆の信頼も厚いリーダー。しかし、ワトニー
救出のため彼女はNASAの命令を無視し、宇宙船を火星に向け
るコースを選びます。
オデッセイ_4.jpg

映画のなかでポイントとなるのが、船長の趣味である70年代ディスコ
音楽。各シーンの重要なシーンで効果的に使われます。
SF映画に70年代ディスコ??
これが素晴らしいマッチング(笑)、ドナ・サマーのHot Stuff とか、ABBA
のWaterloo とか火星の危機的な風景にばっちり合うんです。
特に、宇宙船クルーが一丸となって火星に向け地球をスイングバイする
シーンでは、あのデビッド・ボウイ様のStarmanが流れます!このシーン
が最高にカッコいい。

暗く陰湿な映画が多い中、この映画はまるで80年台の「お正月映画」の
ようにどの世代でも楽しめ、そして高いクオリティで作られた素晴らしい
映画と思います、さすが巨匠リドリー・スコット。
久しぶりに勇気を与えてくれる映画に出会えました。

火星のサバイバルに最も活躍していた道具、それは...ガムテープ!


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コメント 17

conta

なかなか面白そうですね。 是非観てみたいのであまり記事を読まない事にしました(笑)
by conta (2016-03-10 06:58) 

robert

conta様 NICE&コメントありがとうございます!
大人も子供も楽しめる、サバイバル活劇です。2時間半近い
上映時間ですが、テンポの良い展開であっという間にクライ
マックスへ突入って感じです。
by robert (2016-03-13 22:30) 

robert

コミックン様 NICE!ありがとうございます♪
ワトニーは食料を増やすために、火星でジャガイモを栽培する
ことを試します。火星の土に人糞(!)を混ぜて肥料とし、火星
ステーションの中に畑を作ってしまうのです。
このプロセスが緻密に描かれていて面白かったです。
by robert (2016-03-13 22:40) 

robert

mentaiko様 NICE!ありがとうございます!
物語の世界は今よりも少し進んだ近未来なのですが、この
近未来の世界もかなりリアリティのある設定で、特にNASA
の施設(ブタペストにある実際の建物をロケで使用)の描写
は素晴らしかったです。
by robert (2016-03-13 22:44) 

robert

宝生富貴様 NICE!ありがとうございます♪
火星ステーションでのマット・デイモンの一人芝居が、とても
軽快で観ている方が引き込まれます。何度も危機にさらされる
のですが、軽いジョークとポジティブシンキングで困難をクリアー
していく姿が楽しいです。
by robert (2016-03-14 22:31) 

robert

モグラたたき様 NICE!ありがとうございます!
NASAのフライトディレクター役のショーン・ビーンも難しい
状況に置かれた男を熱演して印象深いです。 組織の理論で、
リスクの少ない方法を強要される責任者。 彼もまた軽快に
NASAの石頭達を煙にまきます。
by robert (2016-03-14 22:45) 

robert

shingeki様 NICE!ありがとうございます♪
劇中に出てくる火星探査車「ローバー」はCGではなく、実際に
農作業用の作業車を改造したものだそうです。
なので、火星を走るシーンは実際の車体をロケ地に送り撮影
しているようです。

by robert (2016-03-15 22:00) 

robert

dougakunen様 NICE!ありがとうございます!
火星⇔地球間を往復する宇宙船「ヘルメス号」内部の描写も
緻密で素晴らしかったです。特に無重力エリアのなかを自在に
クルーが行き来するシーンは、本当に無重力で撮ったのかと
思うほどでした。実際にはワイヤーを駆使して撮ったそうです。
by robert (2016-03-15 22:10) 

robert

nandenkanden様 NICE!ありがとうございます♪
物語のキーとなるアイテムとして、1996年に打ち上げられて
火星を探査したマーズ・パスファインダーが出てきます。
パスファインダーのカメラを用いた、NASAとの通信方法は
なかなかのアイデアで、原作者の想像力に脱帽です。
by robert (2016-03-15 22:22) 

robert

mangahara様 NICE!ありがとうございます!
この映画、主人公のワトニーには全く「ラッキー」が起こりません。
むしろ何度もアンラッキーに襲われ、命の危機にさらされます。
それでも、一つ一つ問題を解決しながら、生き残るため必至に
行動します。その姿をみていると勇気がわきます。
by robert (2016-03-15 22:32) 

robert

剛力ラブ様 NICE!ありがとうございます♪
小説版も読んでみたのですが、こちらではワトニーに
襲い掛かる災難が、映画の倍以上でした!
特に後半、ローバーで脱出用の宇宙船が停泊している
スキャパレリクレーターに向かうシーンは大変です。
by robert (2016-03-15 22:47) 

robert

banpeiyu様 NICE!ありがとうございます!
映画の後半、中国宇宙開発陣がNASAに救いの手を差し伸べ
ます。そこはロシアじゃないの?と思いつつも近未来であれば
中国が宇宙開発のイニシアチブをアメリカと分かつのも可能性
大と納得。

by robert (2016-03-16 23:14) 

robert

makimaki様 NICE!ありがとうございます♪
宇宙船「ヘルメス号」に装備されている通信用アンテナの形状、
これは間違いなく2001年宇宙の旅に出てきた宇宙船「ディスカ
バリー号」に対するオマージュだと思います。特徴的な円盤3枚
の形状は絶対そうです。
by robert (2016-03-16 23:28) 

robert

Ujiki.oO様 NICE!ありがとうございます!
オデッセイは科学的考証、映像のリアリティなどすべての面で
飛びぬけていると思います。 映画を見ていると人類が火星
の地にたどりつくのも遠い未来ではなく、10年後くらいには
実現してるかも...と想像しちゃいます。

by robert (2016-03-16 23:49) 

robert

ぽんちゃん様 NICE!ありがとうございます!
youtubeには様々なオデッセイの特別映像がUPされてますが
このマット・デイモンによるクルー紹介映像が面白いです。
https://www.youtube.com/watch?v=x1pev2DkJNE

by robert (2016-03-27 14:42) 

robert

U3様 NICE!ありがとうございます♪
マット・デイモンの次回作はなんと、あのジェイソン・ボーンシリーズ
続編です!今回もポール・グリーングラス監督とタッグを組み、
ボーンの新たな戦いを描くそうです。
by robert (2016-03-27 14:55) 

robert

ライト様 NICE!ありがとうございます!
オデッセイの原作者アンディ・ウィアーは、最初webサイトにて
この作品を無料公開していたそうです。 その後、評判を呼び
kindleでの出版⇒ハリウッドでの映画化とまさにアメリカンドリーム
そのものになりました。
by robert (2016-03-27 16:28) 

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