さよなら円形校舎

先週の土曜日になんとなくテレビを見ていたら、ある番組で私が卒業した小学校
が紹介され、その校舎が今年中に建て壊されることを知りました。
建て壊されると聞いてどうしても最後にその姿を目に焼き付けたくなり、懐かしの
故郷まで足を延ばしてきました。

その小学校は創立139年（！）という歴史のある学校で市内でもっとも古い学校で
した。
我々が通っていたころは一応コンクリート造りの校舎だったのですが、それでも既
に20年は経っており、入学したとき「うわー古臭い！」と感じたことを覚えてます。
校舎は円形の校舎が二つ並び、その中央に職員室が配置されるという非常に特
徴的なもので、他の学校とは全く違う雰囲気を持っていました。

円形ってことは、教室はどうなってるの？と思わるでしょう。
なんと扇型をしていて、生徒の机は放射状に並ぶのです。

この写真では、もう机は新校舎に移動していて、その光景が見れないのが残念。

懐かしの理科室、この奥にホルマリン浸けの蛇とか、骨の標本とかあって掃除当
番の時は怖かったです。

大好きだった図書室。シャーロック・ホームズや少年SFなど良く借りました。

もう棚などは移動していて、無残な姿に・・・。

そして体育館、思い出深いです。ちなみにこの小学校では体育館は冬でも裸足で
す！体育館履きなんて使いません。

経緯は知らないのですが、この学校は県内でも有名な体育プログラム重視の学校
で、朝から晩まで体操の授業がありました。
しかも、各学年ごと鉄棒も跳び箱もいろんな技をこなさなければならず、今考えれば
なんでこんなに体操重視だったのか謎が残ります。

でも五教科不得意の自分には都合の良い学校でした（笑）。

卒業してから30年近く、一度も訪れたことのなかった我が母校。
校内をまわっていたら色々な思い出が胸の中に溢れ出てきて、とても奇妙な感覚に
襲われました。
ずっと忘れていた友達の声や、校庭でケガをした時の痛みや、屋上掃除の時に見上
げていた空のこと・・・。
思い出は自分の頭の中だけにあると思っていましたが、そうではなく建物の壁やその
空気の中にも沁みついているものなのかもしれません。

自分が忘れていた思い出を、ずっと預かっていた古い校舎。
壊される前にそれを私に返すため、わざわざ呼んだのではないか・・・なにかそんな不
思議なことを考えてしまいました。
「ほら、忘れ物ちゃんと持って帰ってね」みたいな。

私が見学から帰ったあと幼馴染から連絡があって、私が帰ったあとすれ違いで見学に
訪れたらしく、来訪名簿に私の名前を見つけてビックリとのこと。
私だけでなく、みんなを呼んでいたんだな・・・。


懐かしい水飲み場。
夏場も毎日走り回って、いつも友達と力比べをしていたっけ。
勝ったり負けたり、泣いたり笑ったり、励ましたり励まされたり。
今思えば、あれだけ純粋に過ごしていた時間というのはとても貴重で、何にも代えがた
い財産であると感じます。



さよなら円形校舎・・・思い出をどうもありがとう。




追伸：卒業生の方々、いまもあの学校精神が受け継がれてるか不安でしょ？
　　　　でもご安心、これを見てください↓

ジャーン！ピカピカの鉄棒。平成になってもこれは受け継がれてます♪

コメント 2

円形校舎とはめずらしいですね。初めて見ました。解体される前に間に合って良かったですね。
私の通っていた文京区の小学校は戦前のものでした。先日ストリート・ビューで見ましたら、当然建て替えられていて、建て替え前に見ておけばと思ったものです。
by conta (2012-12-08 20:54) 

conta様　NICE!＆コメントありがとうございます。
そうなんです、しかも半地下の倉庫があったり、校庭には
散水用のスプリンクラーが配管されていたりと、他校では
絶対に見られない施設満載でちょっと自慢でした。
戦前の小学校ということは、木造だったのでしょうか？
それはまた素敵だったんでしょうね～。

by robert (2012-12-09 22:11)