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オデッセイ [映画]

地球からの距離:2億2530万キロ
外気温:マイナス55℃
水:なし
酸素:ほとんどなし
通信手段:なし
食料:31日分
救助予定:4年後

不幸な事故で火星に一人取り残されてしまった宇宙飛行士の
サバイバル劇を描いたSF映画「オデッセイ」。
2016年アカデミー賞に7部門ノミネートされた話題の大作を、
観てきました。
火星に一人取り残される宇宙飛行士役にマット・デイモン。
苦渋の決断をし一人苦しむ船長役にジェシカ・チャスティン。
そして監督はSF撮らせたら世界一、リドリー・スコット!

オデッセイ_1.jpg
あらすじとこのポスターをみると、どれだけ過酷で苦しい映画
なんだろうとブルってしまいます。
マット・デイモン演じる、マーク・ワトニー飛行士は、一人火星に
取り残され絶望的な状況を認識すると、悲観的な感情を一切
捨てて、科学の知識を武器に生き残る方法を探りはじめます。
一方、地球のNASAスタッフも彼の生存を確認。NASAの全知
を駆使して、救出策を考えだします。
ワトニーは無事に地球に還れるのか...必至に生き残ろうとする
彼に、火星の過酷な世界が容赦なく襲い掛かります。
オデッセイ_2.jpg

ここからはネタバレありますので、気になる方は飛ばしてください。
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SF映画史上、ここまでリアルに徹した映画があったでしょうか?
しかも、火星の情景がまたリアル。行ったことも見たこともない火星
ですが、明らかに地球ではない異世界を見事に表現してます。
一人残されたワトニーの姿を、物語の中では火星ステーション内の
監視カメラ(ログカメラ)を通して描きます。これがまた、彼の孤独を
強調しより緊迫した雰囲気を演出します。
これだけ書くと、どんだけ暗い映画なんだ??と思えますが......
実はこの映画、痛快な娯楽大作なのです!

ワトニーは常にポジティブで、ユーモアを忘れません。
あんな状況で、ジョークを言える人はいないかも知れませんが、
とにかく明るい。
苦しい状況の時こそ、ユーモアが必要なのかもしれません。
なにより自分が絶望に潰されないこと、生き残るためには最も
重要なことですね。

そして、ワトニーを火星に残してしまった船長を初めとするクルー
達。映画の初めには、その絆の強さが見えないのですが、物語
が進むにつれて非常に強い絆で結ばれていることが伝わります。
船長役のジェシカ・チャスティンが良かったです。
つねに冷静に行動し、皆の信頼も厚いリーダー。しかし、ワトニー
救出のため彼女はNASAの命令を無視し、宇宙船を火星に向け
るコースを選びます。
オデッセイ_4.jpg

映画のなかでポイントとなるのが、船長の趣味である70年代ディスコ
音楽。各シーンの重要なシーンで効果的に使われます。
SF映画に70年代ディスコ??
これが素晴らしいマッチング(笑)、ドナ・サマーのHot Stuff とか、ABBA
のWaterloo とか火星の危機的な風景にばっちり合うんです。
特に、宇宙船クルーが一丸となって火星に向け地球をスイングバイする
シーンでは、あのデビッド・ボウイ様のStarmanが流れます!このシーン
が最高にカッコいい。

暗く陰湿な映画が多い中、この映画はまるで80年台の「お正月映画」の
ようにどの世代でも楽しめ、そして高いクオリティで作られた素晴らしい
映画と思います、さすが巨匠リドリー・スコット。
久しぶりに勇気を与えてくれる映画に出会えました。

火星のサバイバルに最も活躍していた道具、それは...ガムテープ!


STAR WARS  episode7 フォースの覚醒 [映画]

A long time ago,in a galaxy far,far away....

待ちに待ったあのシリーズが帰ってきました!
STAR WARS episode7 「フォースの覚醒」、ついに昨年末公開
されましたね。
実は昨年の12月26日に3D IMAXにて鑑賞していました。

お話は「ジェダイの帰還」から30年後の世界。
反乱軍によって壊滅に追い込まれた帝国軍は、ファーストオーダー
と名前を変え、強力な軍事力を持ち新たに銀河を支配しつつありま
した。ファーストオーダーの脅威に対し、かつて反乱軍を指揮した
レイア・オーガナはレジスタンスを組織し対抗しつつ、姿を消した兄
ルーク・スカイウォーカーを探していました。
彼こそが銀河に残る最後のジェダイ騎士なのです。

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ここからはネタバレありますので、気になる方は飛ばしてください。
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「フォースの覚醒」はルークの行方を追うレジスタンスと、その情報
を狙うファーストオーダーの攻防を描きます。
そしてレイアだけでなく、ソロ&チューイの懐かしメンバーが画面狭しと
暴れまくり!懐かしのファルコン号も健在です。
新しいヒーローとして加わったレイ、フィンもSWシリーズに違和感が
ない素晴らしいキャラクターで、二人の活躍もこの映画の魅力です。

映画のシーンはかつてのepisode4~6の名場面がオマージュとして
数多くちりばめられていて、往年のファンはそれだけでも涙出ます。
主人公のレイは砂漠の惑星に一人住み、家族が迎えに来ることを
ずっと待ち続けています。この設定はアナキン、ルークに通じるところ
があり、今後の展開に期待が膨らみます。
レイを演じるデイジー・リドリーがとても良かったですね。
アクションの切れも良く、SWの原点である冒険活劇の部分をしっかり
演じています。
episode1~3はその部分が弱かったように感じたので、episode7では
安心しました。

物語後半のキモとなるルークのライトセイバー。
これも登場シーンで鳥肌が立ちましたね。こういった小物の使い方も
効果的で、新監督JJ・エイブラムスの手腕に脱帽。
ちなみにあのライトセイバーは「帝国の逆襲」でクラウドシティに落ちた
やつですね。episode8ではこの経緯が明らかになるのか?

とにかく2時間20分、あっという間に過ぎてしまう超大作。
もう一回劇場でみたいですね~、空いてから行けるかな。
現在episode8もすでに製作が進んでいるようで、次回作公開がもう
待ち遠しいです。スピンオフ作品も計画されてるようですね。

sw_EP7_2.jpg

What about that ship? That one’s garbage! まずこのシーンで泣きました。

Back to the Future in 2015 [映画]

マイベスト映画上位3位に入る「Back to the Future series」。
シリアスになりがちなタイプスリップというテーマをあっけらかんと
コメディに仕上げ、完璧なシナリオでシリーズ3まで完成した傑作
映画。
その映画のなかで、時間を自在に行き来する夢のタイムマシンと
して登場するのがエメット・ブラウン博士の愛車デロリアン。
次元転移装置を小型原子炉(!)にて作動させ、過去へ未来へと
自由自在。 ベースは実在するデロリアンDMC-12というスーパー
カーで、劇中では140キロを超えた速度で、次元転移装置を作動
させるとタイムスリップできるという、夢の車なのです。

シリーズ2で主人公のマーティ・マクフライとエメット・ブラウン博士が
訪れる未来世界、それが何と明日の2015年10月21日なのです!
映画で描かれた2015年は、車が空を飛び、ごみを原子分解しその
エネルギーによる発電が可能という、超ハイテク世界。
子供の頃、映画をみた時点では2015年はかなり遠くの未来に感じて
ました...あれから30年。

そして現実の2015年。
なんと、越谷レイクタウンで映画に登場したデロリアンの展示が行わ
れていました! 展示されていたのはシリーズ2に登場した飛行可能
バージョン。まさに2015年にタイムスリップしたその姿を再現したもの
となっています。
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delorean_1.jpg
delorean_4.jpg
今見ても、なかなかカッコいいですね!
そもそもベースとなったデロリアンDMC-12が、ジウジアーロデザインで
かなり斬新な形状をしています。30年経ったいまでも全く古臭い感じが
しません。ガルウィングがまさにSFのプロップカーって感じです。

今回の展示はFUKU-FUKUプロジェクトというイベントの一環で、古着
回収にて得た綿繊維からバイオエタノールを生産し、その燃料にて
実際にデロリアンを走行させようというもの。
http://fukufuku-project.jp/GoDelorean/
シリーズ2の劇中では、原子炉⇒ごみ分解システムにて大量の電気を
得てタイムスリップする装置に改良された設定になっているので、そこを
モジッたイベントのようです。
走行イベントは明日、まさに映画にてタイムスリップした2015年10月21日
なのです。場所はお台場のアクアシティ屋上駐車場で16:00スタートとの
こと。

最近、誰でも笑って楽しめる映画が少なくなったように思えます。
「Back to the Future」はSF好きでなくとも、老若男女だれでも楽しめる
素晴らしい映画だったと思います。
あれから30年、テクノロジーは進みました(車は飛びませんが)。
でも振り返ってみると、映画に限らず過去の方が豊かだった分野が多く
あるように感じます。
失われたものは何だったのか、考える良い機会かもしれません。

ちなみに超未来カーのデロリアン、ミッションは5速マニュアルです!

タイムスクープハンター 劇場版 [映画]

すっかり紹介を忘れてしまっていた「タイムスクープハンターシーズン5」。
放送は先月の27日に終わってしまいました。
今回も人気投票実施中ですので、シーズン5にハマっていた方は是非投
票してみてください。
https://www.nhk.or.jp/timescoop/touhyou_form.html

でも今回はここで終わりません。
なんと、シーズン5のエンドシーンからつながる、「タイムスクープハンター
劇場版 安土城 最後の1日」が8月に公開されます!
祝、スクリーンデビューTSH!
ということで映画の舞台は戦国時代。明智光秀の謀反による信長の死後、
原因不明の火事によって焼失してしまった安土城の謎に迫ります。
しかも今回は、未来(?)の武器を持つ謎の山伏まで登場!
沢嶋に大きな危機が迫ります。
TSH movie.jpg
予告編からの映像では、今まで秘密のベールに隠されていたタイムスクー
プ社内の様子が初めて描かれます。
タイムスクープ社のエージェントは沢嶋と古橋の二名しか描かれませんでし
たが、映画版では新メンバーで宇津井健、夏帆などが加わりスケールアップ。
物語のカギとなるのは「楢柴肩衝」という天下三肩衝と呼ばれた茶器。
この茶器の行方を追って、沢嶋は戦国時代だけでなく第二次大戦を含めた
様々な時代を駆け巡るとのこと。
http://timescoop.jp/about.html

そもそもTSHの面白さは歴史教養番組という側面と、臨場感溢れるタイムス
リップSFドラマの面白さ、この両面だと思います。
謎の山伏の登場や、第二次大戦との伏線など今までにはないストーリーの
展開からするとかなりドラマ性を重視したものになっているのでは。
日本史最大の謎「安土城焼失」に迫るTSH、TVとは一味違うスクリーンなら
ではの迫力で新たな魅力を見せてくれることを期待します!

8/31から全国で公開予定です、なんと日光江戸村とのコラボキャンペーンも。

探偵はBARにいる2〜ススキノ大交差点 [映画]

なんともう6月です。
このまえGWが終わったと思っていたらもう梅雨入り。
今年は特に時が過ぎるのが早い感じがします。

やっと観てきました「探偵はBARにいる2〜ススキノ大交差点」。
前作も楽しく観させて頂きましたが、2もよりパワーアップして
大人が楽しめる娯楽大作に仕上がってましたよ!
公開からちょっと経ってますが、まだこれからという方はネタバ
レがありますので飛ばしてください。
探偵はbarにいる2.jpg

【俺】こと大泉洋の演じる探偵は、札幌すすきのを舞台に活躍す
るアウトロー。携帯を持たず、連絡先は行きつけのバー「ケラー
オオハタ」の電話のみ。
相棒の【高田】を演じるのは松田龍平、北大農学部の助手を務
める一方、空手の技を生かし探偵をサポートする良き相棒であ
る。 今回もこの二人が、すすきので起きた殺人事件を軸に謎
の依頼人を巻き込み、危険渦巻く事件の真相に迫っていくサス
ペンス&アクションストーリーが繰り広げられる・・・。
事件の裏には大物政治家がからみ、スキャンダルの隠蔽工作
が疑われるが、事件は誰もが想像しなかった意外な結末へ向
かっていくのであった。

前作もそうでしたが、この作品は昭和のアクション映画が持って
いた泥臭い部分を再現していて私好みの映像です。
アンダーグラウンドの世界を主体に描いているので、事件も利
権がらみ、私怨などが多く、推理シーンをあまり必要としないス
トーリー展開ですね。
推理シーンが懲りすぎて、ストーリーについていけなくなる作品
よりも、ばっさりアクションに撤した作品のほうがのめり込める
感じがします。
すすきのの街と大泉洋のマッチングが本当に良くって、なかな
かの当たり役なのではと思います。
また相棒役の松田龍平も力の抜けた感じが良く、二人の掛け
合いもバッチリで、また続編が楽しみなコンビですね。

事件の真相については、探偵が回りの情報に流されすぎな印
象もあり、推理物のストーリーではないにしてもズサンな捜査
なのでは?と感じるところもあるかなぁ。
依頼人の謎も、もっと早く身元を洗っておくべきだったような。

まあ、あまり細かいことは気にせず【俺】の軽快なアクションと
【高田】の華麗な空手技で悪漢をバッタバタ倒すシーンでもお
腹一杯になるこの映画。
大泉洋ファンでなくとも一見の価値はありますよ!

でも、工藤ちゃんはもっと鋭かったぜ。

クラウド アトラス [映画]

もう一本、帰りの飛行機で見たこの映画「クラウドアトラス」。
19世紀から24世紀までの500年間の長い時間を、6話のストー
リーで描き出す壮大なSF映画です。
上映時間も170分という壮大さ・・・当然見る前にトイレに行くの
を忘れずに。

6話のストーリーは、それぞれが連続した話になっているわけで
はなく、17世紀から24世紀までのおよそ500年の間で並行に語
られていきます。
つまり17世紀の奴隷船のシーンからいきなり22世紀の未来世
界のシーンに切り替わったりします。
6話のストーリーで、数話に跨り登場する人物はごく僅かで、その
かわり前世紀の登場人物が残した本や音楽、言葉などが重要な
役割を果たしストーリーを織りなしていきます。

なので、正直ちょっと複雑です。
しかも各時代ごとに同じ役者が違う役を演じているので、頭を整
理しながら観ていないと取り残されてしまいます。
それぞれのストーリーはこんな感じ。
1849年 奴隷売買貿易船の中で主人公の身に起こる友の裏切り
1936年 協奏曲クラウドアトラスを作曲した、ある若者の苦悩
1973年 巨大原子力企業の汚職を暴く女性記者の戦い
2012年 力による管理を行う老人ホームからの脱出劇
2144年 未来都市でのクローン人間が起こす反乱
遥か未来 文明の滅びた世界で、人類を救う旅に出た男の決断

まだ公開中の作品なのであまり内容には触れませんが、好き嫌
いが分かれる作品だと思います。
個人的にはとてもオモシロイ作品と思っており、手塚治虫の「火の
鳥」を彷彿させる輪廻転生的なストーリーがグッド。
(ちなみに「火の鳥・生命編」の時代設定は2155年!)
そして所々に散らばめられた往年のSF作品に対するオマージュ
もニクイ感じ。
(ソイレント・グリーン / ソンミ451は恐らく華氏451?)
poster.jpg

「クラウド アトラス」では人の業よりも、小さな善意や誰かの語った
言葉などが細かく織纏められ人類の歴史が成り立っていることを、
描いているように思えます。
それぞれ6つのストーリーでは、勇気を持ち善意を信じた者たちが
最終的に未来を切り開いていく姿が描かれます。
直接つながっていないように見えて、それでも500年の長い時間を
ベースに俯瞰してみれば、一つの滴が大きな時代の流れを作って
いったことを理解できます。
もし「欲」のためにその繋がりを断ち切ってしまえば、物語の中で描
かれたように文明は崩壊し、地球は人の住めない世界になってしま
うのでしょう。

なかなか見応えのあるSF映画であることは確か。
ちょっと癖がある感じですが。
個人的には未来世界の描き方がもうちょっとリアリティのあるものの
ほうが良かったかなあ。


あの首狩り族、ヒュー・グラントだったの!?






アルゴ [映画]

すごく久しぶりに映画ネタ。
短期の出張に行った際に、飛行機の中で見たこのオスカー受賞作品。
ベン・アフレック監督主演「アルゴ」!
70年代に起こった、イランアメリカ大使館人質事件を題材にしたサ
スペンス。期待を裏切らないすばらしい出来栄えでした!

1979年、イスラム過激派グループがテヘランのアメリカ大使館を占
拠。暴徒が流れ込む寸前に裏口から脱出した6名の大使館員は、カナ
ダ大使邸に保護される。
だが、カナダ大使邸にも過激派グループの監視が厳しくなり、6名の
大使館員は一刻も早いテヘラン脱出を迫られる!
様々な脱出案が検討される中、なんとCIAが採用した作戦は「SF映画
のクルーに化けて空港から堂々と脱出」という、ウソみたいな作戦で
あった!
脱出の計画を実行するのはCIA人質脱出のエキスパート、トニー・メ
ンデス。計画にはリアリティが重要ということで、彼はマスコミを巻
き込み、架空のSF映画「アルゴ」の製作発表を大々的に実施。
ハリウッドもすっかり騙され、着々と脱出計画の準備は進行していく。
そして6人の命を救うために、メンデスは一人テヘランに飛び立つ!

なんでイランでSF映画?? なんとなく不思議に思う方も多いと思い
ますが、「スターウォーズ」の惑星タトーウィンはチュニジアで撮影
されたんですよ。
つまり、スペースオペラの舞台としてイランのエキゾチックな町並み
をロケハンしているスタッフという体で、シレっと空港から逃げよう
という大胆不敵な脱出作戦。

テヘランのシーンはアクションも爆破もないのですが、とにかく脱出
までの72時間がものすごい緊張感!
6人の大使館員はそれぞれプロデューサー、美術監督、撮影監督など
の映画スタッフに化けるのですが、メンデスは「生き残るためには、
100%スタッフになりきれ」と強調します。
なぜなら、もし少しでも不審な点が見つかればアメリカ人とバレて即
処刑となってしまうのです。
ところが、ついに脱出まで24時間に迫ったとき、メンデスに作戦中止
の命令が届きます!
それは6人の大使館員を見殺しにすることを意味していました。
メンデスは悩みに悩み、ついに命令に背いて6人を脱出させることを
決断するのです。

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とにかく空港のシーンが秀逸!
空港カウンターや出国管理など、普段なじみのある空港の施設がそれ
ぞれ手に汗にぎるシーンに使われていて、本当にドキドキします。
果たして飛行機までたどり着けるのか!?
って結末は知っているのに、息もつかせない緊張感。
いやー、これは大きな大きな画面で見たかったです。

メンデス以外にこの物語のヒーローと言えるのが、6人を保護したカナ
ダ大使夫婦で史実でもこの夫婦はアメリカ政府より勲章を与えられて
います。
見つかれば自分の身も危険にさらされるのに、非常に勇気のある行動
だなあ(政治的な理由があったとしても)と思いました。

この事件にCIAが関与していたことは1997年まで機密扱いになってい
たそうで、2013年の現在も私たちに明かされない「機密」の物語がア
メリカにはいっぱい眠っているのでしょうね。

シュレッダーを繋ぎ合わせるシーン、「アメノド!」と心で叫んだ私。








踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 [映画]

香港からの帰り便で観ました。
15年間続いた「踊る~シリーズ」もついに完結。
さみしい気持ちもあるけど、ひとつケジメをつけるのはファンにとって
も良いことかもしれません。
青島くんも係長になり、室井さんも警察庁警視監まで出世して、そろ
そろ二人が交わした約束にも答えを出さなければならない頃。
紆余曲折あった15年間、果たしてどんな結末を迎えるのか?

湾岸署管内で開催されていた国際環境エネルギーサミット会場にて、
誘拐事件が発生。数時間後、被害者は射殺体にて発見される。
犯行に使われた拳銃は、かつて警察が押収した物。
警察の不祥事が表沙汰になることを恐れた警視庁の捜査本部陣は、
所轄には情報を流さない極秘捜査態勢をとる。
ところが、その動きを見透かすかのように第二の殺人事件が発生!

事件の核心に迫りつつあった青島だったが、誤認逮捕の冤罪を着せ
られ警察手帳を奪われ辞職勧告まで受けてしまう。
同時に室井警視監も青島の責任を取る形での辞職が決定し、絶対
絶命の危機に・・・。

事件の背景には6年前に起こった誘拐殺人事件に関係があることが
判明。その事件には当時交渉班の課長だった真下が関わっていた。
混乱する捜査陣たちを尻目に、犯人は次の行動を起こし真下署長の
息子を誘拐してしまう!

odoru1.jpg

それぞれに15年の時を過ごしてきたキャラクター達。
青島くんは係長になり、小さな面倒事は隠蔽(笑)してしまう始末。
すみれさんは撃たれた傷の後遺症に悩み、退官を決意。
魚住さんも出世して今は警部に。
真下くんは今や湾岸署の署長で、二児のパパ。
スリーアミーゴはいまや指導員となり、邪魔者扱い。
室井さんに「正しいことをするのは難しい」と独白する青島くん。
若いうちは常に突っ走ることが「正しい姿」のように考えてしまいがち
ですが、年齢を重ね管理する側の立場になるとそれだけでは物事が
収まらないことに悩むのだと思います。

体力も衰え、大きな責任も背負いながら自分なりの戦い方を貫き通
す・・・そんな姿が見たかったのですが、物語のクライマックスではち
ょっと大味になってしまいます。
真下くんの息子を探すシーンでは、時間が無いにもかかわらずなぜ
か自転車で走り回り、バナナの倉庫にたどり着くところも根拠が全く
不明で???な感じ。
倉庫で犯人を追いつめたシーンも、いきなりバスが飛び込んでくると
いう危険極まりないアクションで締めるなど、かなり詰めが甘い印象
を持ってしまいました。

それでも、室井&青島の共闘シーンはカッコよく、組織体系に頼らず
とも信念を胸に秘めている者たちが共に協力し合えば「正しい」こと
が行えるのだと、15年目の答えを見せてもらったように思えます。

それとは反対にすみれさんとの関係はモヤっとしたままの青島くん。
冒頭の潜入捜査シーンはファンに対するサービスか?
まあ、あまりはっきりさせないで、その先は皆の想像に任せる感じか
な。

「そろそろ現場はツラいか?」と聞く室井さんに、「ぼちぼちです」と答
える青島くん。私はこのシーンが一番好きでした。
弱音を吐くわけでもなく、でも昔と同じではいられない。複雑な心境を
うまく表現しているシーンでグッときました。
青島くんが「絵に描いたヒーロー」ではなく、年齢を重ね成熟した大人
になったことで、15年のシリーズにピリオドを打つのに納得できる作品
と思えます。

さよなら湾岸署の面々、15年間楽しませてもらいました!


007 スカイフォール [映画]

ついに007シリーズ50周年記念作品「スカイフォール」が先週から上映
されました!
前評判も高く、アカデミー賞候補も噂されるこの作品。今回は奮発して
IMAXシアターにて鑑賞いたしました~。

ボンドは今回もダニエル・クレイブが演じ、Mはお馴染みのジュディ・デン
チが演じます。
ダニエル・クレイブのボンドからリアル志向になり、秘密兵器や世界征服
を企む敵などがすっかり見られなくなり、これって007かい?みたいな印
象を持ってます。ボンドも仏頂面でユーモアの一つもないし。
なんて前二作の印象否定気味で席に着いた私・・・MGMのライオンが現
れてからアッと今に2時間20分を見終えてしまいました!

トルコのイスタンブールでMI6諜報員の情報が入ったハードディスクが盗
まれ、007はその犯人を捕まえるべく激しい追撃を繰り広げます。
疾走する列車の屋根に犯人を追いつめますが、味方の放った銃弾が運
悪く007に命中し、彼は深い谷の川に落下・・・MI6は007を死亡と推定し
てしまいます。
ハードディスクは敵の手に渡り、多くの諜報員が犠牲になったことで引責
辞任を迫られるれるM。
Mは事件解決まで続投を主張しますが、その情報安全委員会からの帰路
でMI6本部の爆破を目にします!

いつになくハードな展開に、観客はもうビックリの連続。
ま、当然007は生きていて、Mを守りにロンドンに戻ってくるのですが。
しばらく現場から離れていた007に、現場復帰を承認する適性テストを実
施するのですが、これが芳しくない結果。
今回、シリーズ初の描写と思うのですが「007が時代遅れの遺物」として
描かれます。というか、暗殺などを目的とした諜報活動そのものがこの時
代に不要なのでは?というスパイ映画のアイデンティティを揺るがす大き
なテーマに取り組んでいるのです!
新任のQは非常に若く、007に対して「ペン型の爆弾はアンティークだ」と
言い放ちます。この若造、007シリーズ全否定か!

事件の黒幕であるシルヴァは、元MI6でしかもMの元部下。
シルヴァはMに対して恨みを持っており、Mへの復讐が目的。
諜報員であった彼は高度なハッカーでもあり、ネットワーク上の情報戦は
正直Q以上の腕前。
MI6は最終的にシステムをハッキングにより占拠されてしまいますが、ボ
ンドはMを餌にしてシルヴァをおびき出し決着をつける計画を立てます。
そう、決着は007の得意とする時代遅れなやり方で・・・。

ちなみにシルヴァを演じるのはハビエル・バルデム!
どうしても「ノーカントリー」の殺し屋の印象が強すぎて、ガス圧を使った
変な武器を懐に隠していそう。
最近の007敵役としては凄くよかったと思います。ホント不気味。

SKYFALL.jpg

今回一番びっくりしたのは007が被弾するところ。
今まで007って撃たれたことがなかった気がするので、かなり驚きました。
スカイフォールは色々な意味で新しい試みを盛り込み、かつ伝説へのオ
マージュも忘れません。
先ほど若造が「アンティーク」と吐き捨てた秘密兵器。でも我々ファンの気
持ちをサム・メンデス監督は裏切りませんよ~。
Mを守るために007が相棒としてハンドルを握るのは「あのDB5」です!
もうね、久しぶりに映画館で声をあげてしまいました、「あれかよ!」。

とにかく2時間あっという間の300gチーズカリーバーグディッシュ(?)み
たいな大満足感。ぐっとダニエル・クレイブの007が好きになってしまいま
したよ。

今回のボンドガールはジュディ・デンチ?なんと78歳、カッコいい!

裏切りのサーカス [映画]

すみません、パソコン不調でちょっと更新遅れました。
気づけばもう季節は冬の気配。
朝晩はグッと寒くなってまいりました。

先々週くらいにDVDにて「裏切りのサーカス」を観ました。
これは劇場で見たかったのですが、残念ながら見逃してしまった
作品の一つ。
正直、今年見た中では一番の出来だったかもしれない・・・嗚呼、
なぜ劇場で観なかったのか悔やまれる! というのが第一感想。

物語は冷戦時代の1970年代。
英国情報部MI6にもぐりこんだソ連KGBのスパイ「もぐら」を探し
出すために、元MI6のエージェント“スマイリー”が捜査に駆り出さ
れます。
スパイ物とはいえ、全くといっていいほどアクションシーンは無く、
物語が淡々と進むのですが、120分間隅々まで張りつめている緊
張感が素晴らしい。
とにかく、観る側にかなり頭の回転を要求してくる映画なので、ビー
ル片手にノンビリ観てるとあっという間に置いてかれます。
複雑な物語を、ナレーションも付けずに役者の表情、カメラワーク、
様々なカットにて表現していく手法はホントに圧巻。
久しぶりにフルボディの濃厚な映画に出会った感じです。

主人公のスマイリーを演じるのは、名優ゲイリー・オールドマン。
静かさの中に潜む鋭い洞察力を持つ“スマイリー”の役を見事に演
じてます、いやカッコいい。
そして、対立する陣営の“テイラー”を演じたコリン・ファースも良かっ
たです。軽い役を演じることが最近は多かったと思いますが、これは
かなりの深煎り。ラストシーンまで魅せてくれます。
spy 1.jpg
この映画の重要なキーマンであるKGBの大物スパイ“カーラ”の描き
方がまた秀逸で、ほとんど姿を見せるシーンがないのに冷酷で恐ろし
い敵であることを十分に感じることができます。
イスタンブールで“イリーナ”が捕まるシーン(その後の衝撃シーン)も
震え上がるほどの緊張感があって怖い。

まあ、とにかく映画好きにはホントにおすすめのこの一本。
それぞれ俳優の演技にも魅了されますが、70年代の雰囲気を見事に
表現した美術陣にも脱帽。
“ピーター・ギラム”の駆るシトロエンDSもなかなかいい味出してます。

久しぶりにドップリ浸れた映画でした~、原作も読んでみたい。

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